諏訪館跡庭園(一乗谷朝倉氏遺跡)概要: 諏訪館は朝倉義景の側室である「小少将(小将・少将・諏訪殿)」の屋敷と伝えられています。小少将は朝倉家の家臣斎藤兵部少輔の娘とされ、永禄11年(1568)に義景の嫡男阿君丸が死去した事に伴い側室に入りました。
義景の妻は死別や離婚などが続き小少将は4番目(管領家細川家の娘・近衛家の娘・鞍谷家一族の娘)の妻とされ嫡男である愛王丸を出産した事で、屋敷である諏訪館は特別視され、さらに2人溺愛し過ぎた為に政務を省みず朝倉家の滅亡を早めたとも云われています。
庭園は廻遊式林泉庭園で、上段と下段の2段構成で、上段には滝石組や湧泉石組があり、下段は高さ413cm、幅2.5mの日本最大級の滝副石(弘化4年:1847年に心月寺18世月泉和尚の筆、氏景、貞景、孝景の法号が刻まれ供養塔になっています。)が配され、4段の水落石には落差の大きい滝が流れています。
庭園の面積2140u、池の中央付近には水分石、対岸には礼拝石が配され、左の池尻には石橋が掛けられ、一乗谷朝倉氏遺跡で国指定特別名勝に指定されている湯殿跡庭園、朝倉義景館跡庭園、南陽寺跡庭園、諏訪館跡庭園の4つの中では最大の規模を誇ります。諏訪館跡庭園は一乗谷に残る庭園文化の一端を成す貴重なものとして昭和42年(1967)に復元工事が行われ平成3年(1991)に国指定特別名勝に指定されています。
諏訪館跡庭園:上空画像
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