萬徳寺(小浜市)概要: 延宝山萬徳寺は福井県小浜市金屋に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。萬徳寺の創建は不詳ですが当初は遠敷川付近にあり極楽寺と称していました。
室町時代初期の応永年間(1368〜1374年)に覚応法印(安芸国円明寺の僧)が正照院に寺号を改称し真言宗の寺院としています。萬徳寺は若狭国守護職武田家から祈願所として庇護され天文13年(1544)には信豊によって「駆け込み寺」として指定されています。
戦国時代の元亀年間(1570〜1573年)の兵火により多くの堂宇が焼失し衰退しますが慶長7年(1602)に京極高次の協力を得て現在地に再興し寺号を萬徳寺に改称しています。
萬徳寺は江戸時代に入ると新たに小浜藩(藩庁:小浜城)の藩主となった京極氏や酒井氏からも庇護され寺運が隆盛しています。
現在の萬徳寺の庫裏(書院)と庭園は延宝5年(1677)に小浜藩主酒井家の命により造られたもので庫裏(書院)は木造平屋建て、入母屋、茅葺、書院造り、庭園は境内の傾斜を利用した蓬莱式枯山水庭園、江戸時代初期の名園として貴重な事から昭和27年(1952)に国指定名勝に指定されています。
本堂は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行5間、張間3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り、内部の内陣には本尊となる阿弥陀如来像が安置、庭園を見下ろせる高所に建てられています。萬徳寺は寺宝も多く、数多くの文化財を所有しています。山号:延宝山。宗派:高野山真言宗。本尊:阿弥陀如来。
萬徳寺の文化財
・ 萬徳寺庭園−江戸時代初期−国指定名勝
・ 木造阿弥陀如来坐像−平安時代後期−国指定重要文化財
・ 絹本著色弥勒菩薩像−鎌倉時代−国指定重要文化財
・ 萬徳寺の大山モミジ−国指定天然記念物
・ 絹本著色愛染明王像−鎌倉時代後期−福井県指定文化財
・ 絹本著色童子経曼荼羅図−室町時代−福井県指定文化財
・ 絹本著色千手観音像−鎌倉時代後期−福井県指定文化財
・ 銅造孔雀文磬−小浜市指定文化財
・ 絹本著色両界曼荼羅図−室町時代中期−小浜市指定文化財
・ 絹本著色不動明王三童子像−平安末〜鎌倉初−国指定重要文化財
・ 紙本墨書中阿?梵志品婆羅婆堂経−奈良時代−福井県指定文化財
・ 絹本著色文殊曼荼羅図−鎌倉時代中期−福井県指定文化財
・ 絹本著色十三仏図−南北朝時代−福井県指定文化財
萬徳寺:上空画像
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