鵜の瀬(小浜市)概要: 鵜の瀬は若狭彦神社と若狭姫神社の祭神である遠敷明神が降臨した聖地で、「お水取り」行事の舞台でもあります。
伝承によると、インド僧である実忠が神願寺(現在の神宮寺)から東大寺(奈良県奈良市雑司町にある華厳宗大本山)に入り二月堂を建立した際、全国の神々を集めたところ、遠敷明神だけが参加しませんでした。
後日、現れた遠敷明神にその理由を聞くと川魚を採るのに夢中になり時が経つのを忘れたとの事。以来、そのお詫びとして二月堂の御本尊にお供えする「閼伽水」を若狭から献じる事となり、2羽の鵜に命じて鵜の瀬と二月堂まで穴を通し水を引かせることにしました。しばらくすると2月堂の境内から水が滾々と湧き出た為、二月堂の若狭井は鵜の瀬が水源地だとされています。
現在でも「東大寺二月堂のお水取り」に先立ち神宮寺と鵜の瀬では「お水取り」行事が行われています。鵜の瀬は昭和60年(1985)に環境庁(現・環境省)により名水100選に選定されています。
又、鵜の瀬を御神体とする白石神社は若狭彦神社と若狭姫神社の奥之院に位置付けられ、熊川宿の鎮座している白石神社なども、当地の白石大明神が勧請されと伝えられるなど信仰の広がりも見せています。
鵜の瀬:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-福井県-出版元:株式会社人文社
・ 日本の城下町6北陸-出版元:株式会社ぎょうせい
・ 現地案内板-小浜市
|
|