大成寺(高浜町)概要: 瑞応山大成寺は福井県高浜町日置に境内を構えている臨済宗建仁寺派の寺院です。大成寺の創建は南北朝時代の観応2年(1351)、足利基氏(足利尊氏の2男)が父親である足利尊氏の菩提を弔うために華陽和尚(貞氏の子供)を招いて開いたのが始まりと伝えられています。
当初は基氏の戒名である「瑞泉寺玉巌道マ」に因み瑞泉寺と称し大飯郡日引にありましたが火災などで衰退、応永元年(1394)に当時の領主大高重成が再興し現在地に移したことで、苗字と名前から1字ずつ取って「大成寺」に寺号を改称しています。
大成寺の最盛期には末寺塔頭計八ヶ寺を擁するなど寺運も隆盛しますがその後も興衰を繰り返し、6世梅岩瑞賢侍者が住職の時代に火災により堂宇が焼失し、天文18年(1550)に当時の若狭守護職の武田元光が伎西堂を招いて再興しています。
現在の大成寺山門は文政4年(1821)に建立されたもので三間一戸、入母屋、銅板葺、八脚楼門形式、上層部には十六羅漢像が安置され四周には高欄、「観潮楼」の扁額、外壁は真壁造り板張り、江戸時代後期の楼門建築の遺構として貴重な事から高浜町指定文化財に指定されています。
本堂は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行6間、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。大成寺の境内にあるマキ(樹高3.5m、幹回り2.35)と紅梅(樹高7.0m、幹回り1.75m)は貴重な事から高浜町指定天然記念物に指定されています。
若狭三十三観音霊場31番札所(札所本尊:聖観世音菩薩・御詠歌:日引なる ふるさと遠く聞こえこし やさかを偲ぶ今日ぞ尊し)。山号:瑞応山。宗派:臨済宗建仁寺派。本尊:聖観世音菩薩。
|