相ノ木邸(越前町)概要: 相ノ木家の祖は越前守護職を務めた朝倉氏 (本拠:一乗谷)一族の出で、当地を支配した豪族でした。天文年間(1532〜1555年)に信州に移り武田家の家臣となり、天正10年(1582)に武田勝頼が天目山で自刃すると、相ノ木家一族は故郷であるこの地に土着し帰農しました(当主は武田家と命運を共にしたとされます)。江戸時代に入りと当村の庄屋を歴任し名字帯刀を認められるなど格式の高い上級農家となり代々「相ノ木七良右エ門」を襲名しました。現在の建物は江戸時代中期の18世紀前半頃に建てられたと推定され、入母屋、茅葺(南と東側に桟瓦葺の下屋庇)、平入、桁行13.6m、梁間9.7m、直屋造り。
相ノ木邸の内部は越前T型(前方に「ニワ」・「ダイドコロ」、後方に「ブツマ」・「ザシキ」)に分類され古式を継承し正面に長屋門(入母屋、桟瓦葺、白漆喰仕上げ)を配するなど随所に格式の高い意匠が施されています。相ノ木邸は福井県内に残る江戸時代中期の上級農家建築として大変貴重な存在で昭和44年(1969)に国指定重要文化財に指定されています。
相ノ木邸:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-福井県-出版元:株式会社人文社
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