北前船主の館右近家住宅(南越前町)概要: 右近権左衛門家は延宝8年(1680)、河野浦の金相寺の専祐が山林と船1隻を与えられ分家したのが始まりと伝えられています。9代目右近権左衛門の代から飛躍的に廻船を増やし文久3年(1863)には11隻の廻船を所有し12000両の利益を上げたそうです。10代目になると廻船の数が17隻となりますが、明治時代中期から北前船による廻船業が急速に衰退、そこで廻船を順次西洋型帆船や蒸気船に切り替え、難局を切り抜けました。
現在の建物は江戸時代後期の天保年間(1830〜1844年)に建てられ、明治34年(1901)に改修したもので、敷地には主屋の他、内蔵3棟、外蔵4棟、昭和10年(1935)に建てられた鉄筋コンクリート造の別荘「西洋館(設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏ともいわれています。)」などがあり、どれもが、日本海五大船主の1つに数えられる右近権左衛門家の格式が感じられる造りになっています。
現在は"北前船"が主なテーマとした資料館「北前船主の館 右近家」となり一般公開されています。又、右近権左衛門家がある河野集落は船主の古民家で構成される町並みが色濃く残され、名称「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間 〜北前船寄港地・船主集落〜」として平成29年(2017)に日本遺産に選定されています。
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