三方石観世音(若狭町)概要: 三方石観世音は福井県三方上中郡若狭町三方に境内を構えている曹洞宗の寺院です。三方石観世音の創建は不詳ですが延暦年間(782〜806年)、弘法大師空海(真言宗の開祖)が巡錫の折、この地を霊地と悟り一夜のうちに観音像を完成させようと彫刻していましたが、右手を彫刻している途中に夜が明け鶏が鳴き出したので未完のままこの地を離れたと伝えられています。
其の為、未完の観音像は「片手観音」と呼ばれ手足の不自由の人に御利益があるとして広く信仰されるようになりました(悪い体の箇所を模った木札を持ち帰り、回復した際には木札を返納するそうです)。江戸時代後期の文化元年(1804)に別当寺院である臥龍院が浄財を募り堂宇を造営し益々信仰を広げました。
現在の三方石観世音、観音堂は明治32年(1899)に再建されたもので、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、妻入り、正面1間唐破風向拝付き(銅板葺き)、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、内陣には本尊となる聖観世音菩薩像が安置されています。境内に湧き出る清水は「観音霊水」と呼ばれ平成18年(2006)に「ふくいのおいしい水」に選定されています。
若越八十八ヶ所霊場四十九番札所。北陸三十三ヶ所観音霊場七番札所。若狭三十三観音霊場特番礼所。御詠歌:身の仇も ほどけて法の三方山 たが手でえりし 石のみ姿。山号:大悲山。宗派:曹洞宗。本尊:聖観世音菩薩。
三方石観世音:上空画像
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