萬慶寺(鯖江市)概要: 萬慶寺は福井県鯖江市深江町に境内を構えている曹洞宗の寺院です。亨浄山萬慶寺の創建は享保5年(1720)、間部詮言が村上藩(新潟県村上市)から5万石で移され鯖江藩を立藩した際、随伴した陽光和尚(村上城下にあった常福寺の僧)が万松庵を開いたのが始まりと伝えられています。
当初は現在の鯖江市桜町にありましたが享保10年(1725)、2代藩主間部詮方により現在地に移され曹洞宗大本山の永平寺住職・承天禅師を招いて改めて開山し寺号を萬慶寺と改め永平寺の末寺となっています。以来、鯖江藩主間部家の菩提寺とされ藩から庇護され領内の中心的な寺院として寺運も隆盛します。
現在の萬慶寺本堂は文化11年(1814)に造営されたもので、入母屋、桟瓦葺、平入、桁行8.5間、梁間8.5間、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、腰壁は縦板張。
内部の天井画(風神図:縦5.4m×横4.5m・龍神図:縦5.4m×横6.3m・雷図:縦5.4m×横4.5m)は7代藩主間部詮勝が自ら描いたと伝わるもので弘化3年(1846)に萬慶寺に寄進しています。萬慶寺本堂天井絵3面は画家としても名を馳せた詮勝の代表作品で昭和55年(1980)に鯖江市指定文化財に指定されています。
萬慶寺山門は嘉永2年(1849)に建てられたもので、入母屋、桟瓦葺、一間一戸、楼門形式、桁行3.64m(3間)、桁行2.42m(2間)、2層目には高欄、鵬霄閣との別称があります。萬慶寺山門(楼門)は鯖江市では数少ない楼門建築として貴重なことから平成8年(1996)に鯖江市指定文化財に指定されています。
境内には領内で亡くなった5代藩主間部詮煕(法号:真霊院)、6代藩主間部詮允(法号:馨香院)、8代藩主間部詮実室徽美(法名:玉徽院)、間鍋勘解由の墓碑が建立され平成26年(2014)に鯖江市指定史跡に指定されています。
又、裏門は鯖江陣屋が明治時代以降に解体された際に赤門(切妻、桟瓦葺、一間一戸、薬医門)が移築されたものと伝えられています。山号:亨浄山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
萬慶寺:上空画像
|