妙楽寺(小浜市)概要: 妙楽寺は福井県小浜市野代に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。岩屋山妙楽寺の創建は養老3年(719)、この地を訪れた行基菩薩(奈良時代の高僧)が自ら二十四面千手観音像を彫り込み岩窟に安置したのが始まりと伝えられています。
その後、延暦16年(797)に弘法大師空海上人(平安時代の高僧、真言宗の開祖)が堂宇を建立するなど境内を整備し広く知られるようになりました。
現在の妙楽寺本堂は内部に安置している厨子が永仁4年(1296)の銘があることから鎌倉時代末期に建立されたと推定される建物で、寄棟、桧皮葺、桁行5間(11.51m)、梁間5間(10.61m)、福井県最古の寺院本堂建築の遺構として大変貴重な存在で、附として厨子と共に明治34年(1901)に国指定重要文化財に指定されています。
妙楽寺の本尊である二十四面千手観音像は平安時代中期に制作されたもので、像高176.3cm、桧材、一木造、頭上は菩薩の顔が3面の他全部で24面あり千手が彫刻された秀作で本堂と同様に国指定重要文化財に指定されています。
山門は安永6年(1777)に再建されたもので、入母屋、桟瓦葺、三間一戸、八脚単層門、両側には阿吽の金剛力士像が安置されています。
北陸三十三ヶ所観音霊場第三番礼所(札所本尊:千手観音菩薩・御詠歌:妙なるや法の楽しみ春は花 秋はこの身をうるぞ尊き)。若狭三十三観音霊場第十九番礼所。宝の道七福神霊場特別協賛寺院。山号:岩屋山。宗派:高野山真言宗。本尊:千手観音菩薩。
妙楽寺の文化財
・ 妙楽寺本堂−鎌倉時代後期−国指定重要文化財
・ 厨子−永仁4年−国指定重要文化財
・ 二十四面千手観音像−平安時代中期−国指定重要文化財
・ 地蔵菩薩座像−平安−伝:恵心僧正作、桧、寄木造、像高135.8p−県指定
・ 聖観音菩薩像−平安−一木造、彫眼、像高161.5p−福井県指定文化財
・ 不動明王座像−平安−小浜市指定文化財
妙楽寺:上空画像
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