小浜市: 空印寺

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概要・歴史・観光・見所
空印寺(小浜市)概要: 空印寺は福井県小浜市小浜男山に境内を構えている曹洞宗の寺院です。建康山空印寺の創建は不詳ですが慶長14年(1609)に小浜藩主京極高次が亡くなると、嫡子である京極忠高が父親の菩提を弔う為、位牌所として開いたのが始まりと伝えられています。空印寺の境内は若狭守護館の跡地で新たに小浜城が築かれると背後の後瀬山城が廃城となり、同時に館も廃され境内地として整備されました。当初は高次の戒名(泰雲寺殿徹宗道閑又は泰雲寺殿前三品相公徹宗道閑大居士)から泰雲寺と称していましたが、寛永11年(1634)忠高が松江藩(島根県松江市)に移封になると、新たに藩主となった酒井忠勝が父親である忠利の遺骨を移して酒井家歴代の菩提寺に定めると建康寺に改称しています。さらに、寛文8年(1688)、二代藩主酒井忠直が忠勝の7回忌の際、境内を整備し寺号を忠勝の戒名(空印寺殿傑伝長英大居士)から建康山空印寺に改めています。以来、空印寺は小浜藩主の菩提寺として酒井家から庇護され寺運が隆盛し、境内が縮小されたものの山門や酒井家歴代墓所など当時の威容を伝えています。山号:建康山。宗派:曹洞宗。本尊:馬頭観音。

空印寺山門は寛文8年(1688)当時のものとされ、切妻、桟瓦葺、薬医門、総欅造り、潜門付き、板蟇股や瓦には酒井家の家紋である若狭剣片喰紋や井桁が掲げられているもので昭和63年(1988)に小浜市指定文化財に指定されています。空印寺の寺宝である紙本著色神明神社社頭風俗図(縦171cm、幅368cm)は江戸時代後期に製作され、当時の神明神社境内と門前の風景が描かれたもので、美術的、歴史的にも貴重なことから昭和63年(1988)に小浜市指定文化財に指定されています。空印寺本堂背後の墓地には約600uの歴代小浜酒井家の墓域があり四周を土塀で囲われ、その中には藩祖忠利、初代忠勝などの墓碑が並び貴重な事から昭和57年(1982)に小浜市指定史跡に指定されています。

空印寺境内周辺は江戸時代は小浜西組と呼ばれ現在でも当時の町並みを色濃く残している事から名称「小浜西組伝統的建造物群保存地区」として平成20年(2008)に重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。又、空印寺境内にある洞窟は、昔、長者の娘(八百比丘尼)が人魚の肉を誤って食し不老長寿になってしまい、若い娘の姿のまま800年生き続け、全国を行脚し終え最後に入定した場所と伝えられています。

【 空印寺菩提者:酒井家 】-空印寺を菩提寺とする酒井家の祖である酒井忠勝は徳川家譜代の家臣で、慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いでは徳川秀忠に従い中山道を西上し真田昌幸、幸村父子の守る上田城の攻防戦にも参加しています。その後は3代将軍徳川家光の側近として大名に取り立てられ、寛永元年(1624)には本丸年寄(老中)に就任し、寛永4年(1627)には父親である忠利の跡を継ぎ川越藩主8万石となっています。その後も加増が続き寛永11年(1634)に小浜藩11万3千5百石で移封となり国持大名の格式を得て(忠勝一代限り)、さらに寛永13年(1636)に1万石が加増され西国の譜代大名としては彦根藩(滋賀県彦根市)井伊家に次ぐ大身となりました。忠勝は基本的に幕政の重責を担っていた為、殆ど小浜領には滞在していませんでしたが、本城となる小浜城(福井県小浜市)の整備や城下町の町割、町奉行や代官の設置、領内の指針となる「郷中法度」を制定し小浜藩の基礎を固めました。跡を継いだ酒井忠直は甥の忠国に1万石を分与して安房勝山藩(千葉県安房郡鋸南町勝山)を立藩させ、藩政では父親の偉業を引き継ぎ新田開発や治水工事などを積極的に行い藩政も確立しています。

跡を継いだ酒井忠隆は弟である忠稠に1万石を分与して敦賀藩(福井県敦賀市)を立藩させ、忠根には3千石を分与して旗本家を創設させています。5代藩主酒井忠音は8代将軍徳川吉宗に重用され奏者番、寺社奉行、大坂城代、老中などの要職を歴任し享保の改革にも大きく尽力しています。7代藩主酒井忠用は奏者番兼寺社奉行、大坂城代、京都所司代を歴任、10代藩主酒井忠進は寺社奉行、京都所司代、老中を歴任し、日光東照宮(栃木県日光市)の五重塔を再建しています。12代、14代藩主酒井忠義は京都所司代を担う一方で井伊直弼に重用され安政の大獄や公武合体(和宮降嫁)、水戸天狗党の鎮圧などに大きく関与し戊辰戦争の際は当初は幕府軍として交戦し、敗北後は新政府軍の先鋒として東北各地を転戦しています。

空印寺の文化財
・ 紙本著色神明神社社頭風俗図−江戸時代後期−小浜市指定文化財
・ 空印寺薬医門−寛文8年−小浜市指定文化財
・ 酒井家墓所−江戸時代−小浜市指定史跡

空印寺:写真

空印寺境内正面に設けられた歴史が感じられる山門
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空印寺山門から見たよく手入れされている境内 空印寺本堂正面と背後に控える後瀬山 空印寺境内に建立されている石仏 空印寺境内にある八百比丘尼が入定したという洞窟


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